シナモン
カッシア、ニッケイ(肉桂)、ケイヒ(桂皮)
学名
Cinnamomum verum、Cinnamomum cassia (C. aromaticum)
英名
Cinnamon, Ceylon cinnamon, Cassia cinnamon
科名
クスノキ科 (Lauraceae)
使用部位
樹皮 葉、果実、根皮(品種や用途による)
花言葉
「清純」「純潔」
忙しい人向け ステータス表
総合評価
| 項目 | スコア | 評価の理由 |
| 薬理活性 | ★★★★☆ | シンナムアルデヒドによる毛細血管強化と代謝促進。 |
| 汎用性 | ★★★★★ | 料理、菓子、飲料、サプリと日常生活への取り入れやすさは抜群。 |
| 安全性 | ★★★☆☆ | カッシア種はクマリン含有量が多く、過剰摂取には注意が必要。 |
| 即効性 | ★★★☆☆ | 体を温める作用は早いが、血管や血糖への影響は継続が鍵。 |
| 入手性 | ★★★★★ | どこのスーパーでも安価に手に入る、最も身近なスパイスの一つ。 |
固有効果
| 項目 | スコア | 評価の理由 |
| 血行改善・毛細血管強化 | ★★★★★ | Tie2を活性化し、末端の血流を改善。くすみやクマのケアに。 |
| 消化促進・駆風作用 | ★★★★☆ | 胃腸を活性化し、膨満感やガスによるお腹の張りを和らげる。 |
| 血糖値への影響 | ★★★☆☆ | インスリン抵抗性の改善が示唆されるが、研究結果にはばらつき。 |
| 抗菌・抗酸化作用 | ★★★★☆ | 強力なポリフェノールで老化を防ぎ、菌やウイルスの増殖を抑制。 |
| 鎮痛・月経痛緩和 | ★★★☆☆ | 体を温めて痛みを和らげるが、鎮痛薬ほどの強さはない。 |
| 認知機能サポート | ★★☆☆☆ | ワーキングメモリ向上を示唆する小規模な研究報告がある。 |
※評価スコアやランクについて…このステータス表は、専門機関のデータベース(厚生労働省eJIMや国立健康・栄養研究所など)の情報を基に、僕個人の使用感や視点を加えて作成したものです。効果の感じ方には個人差がありますので、あくまで目安としてお楽しみください。
主な効果・効能
血行改善
- 成分「シンナムアルデヒド」には、毛細血管を強化する物質「Tie2」を活性化させる働きがあり、傷ついた毛細血管の修復を助け、体の末端まで安定した血流を届けることに繋がります。
- 体を温め血の巡りを良くすることから、冷え性や、それに伴う肩こり、腰痛といった不調の緩和に繋がります。
- 血流が促進されることで新陳代謝が向上し、肌のくすみや目の下のクマといった美容面の悩みを改善する効果も期待できます。
消化促進
- シナモン特有の甘く爽やかな香りは嗅覚を刺激し、胃の働きを活性化させることで、消化を助ける作用があります。
- 食欲不振、胃もたれ、胃の痛み、腹部の膨満感といった消化器系の不調を和らげるのに適しています。
- お腹に溜まったガスを体外へ排出しやすくする駆風作用があるため、お腹の張りが気になる際にも役立ちます。
血糖値への影響
- 複数の研究やメタアナリシスにおいて、シナモンが血糖値を低下させる可能性が示唆されています。
- インスリン抵抗性の改善を助け、糖代謝に良い影響を与える可能性があると報告されています。
- ただし、多くの研究では使用されたシナモンの種類(セイロン種かカッシア種かなど)が明記されておらず、結果の解釈を困難にしています。これは後述するクマリン含有量の違いから、安全性においても重要な問題点です。
- 現在までの研究ではその有効性を明確に支持する結果は得られておらず、いかなる健康状態においてもシナモンの使用を推奨するまでには至っていません。従来の医療に代わるものではなく、糖尿病治療の補助として用いるべきではありません。
抗菌・抗酸化作用
- ポリフェノールの一種であるプロアントシアニジンを豊富に含み、強力な抗酸化作用によって、老化や生活習慣病の原因となる活性酸素から体を守ります。
- サルモネラ菌やカンジダ菌など、特定の細菌やウイルスの増殖を抑制する働きが報告されており、風邪の予防や、口腔内の健康維持にも利用されています。
鎮痛
- 月経に伴う痛みの重症度や持続時間を減少させる効果が臨床試験で報告されていますが、その鎮痛効果はイブプロフェンよりも低かったとされています。
- 体を温める作用と相まって、冷えからくる頭痛などの痛みを和らげる効果も期待されます。
認知機能
- 情報を一時的に記憶し処理する能力である作業記憶(ワーキングメモリ)を向上させる可能性を示した、小規模な研究報告があります。
カフェインの有無
- カフェインは含まれていません。
服用法
- スパイスとして:
- 粉末(パウダー)や棒状(スティック)のものを、料理や菓子、紅茶やコーヒーなどの飲料の香りづけに用います。
- サプリメントとして:
- 血糖値コントロールへの期待などから、サプリメントとしてカプセルなどの形態で摂取されることもあります。
- 精油として:
- エッセンシャルオイルをアロマセラピーで利用するほか、香料として歯磨き粉や石鹸などに配合されます。
副作用
- 最も一般的に報告されるものとして、胃腸の不調(腹痛、下痢、胸やけなど)やアレルギー反応が挙げられます。
- シナモン風味の歯磨き粉やチューインガムなどの使用により、口内や舌に痛みや炎症(接触口内炎)が生じた例が報告されています。
- 精油(エッセンシャルオイル)など濃縮された製品を局所的に使用した場合、皮膚への刺激やアレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性があります。
安全性
- 食品として通常量をスパイスとして用いる場合は安全とされていますが、カッシア種には肝毒性の可能性があるクマリンという成分が多く含まれます。欧州食品安全機関(EFSA)が定める耐容一日摂取量(TDI)は体重1kgあたり0.1mgですが、カッシア粉末は小さじ1杯で平均的な成人のTDIを超える可能性があります。
- 特に肝疾患を持つ人は、広く流通しているカッシア種のシナモンを長期間にわたって大量に摂取することには注意が必要です。クマリン含有量の少ないセイロンシナモンを選ぶことが推奨されます。
- 妊娠中は、食品として通常使用される量を超える摂取や、精油(エッセンシャルオイル)の使用は避けるべきとされています。
相互作用
- スタチン系薬剤(脂質異常症治療薬)と併用した場合に、肝炎を引き起こしたという症例が報告されています。
- 一部の糖尿病治療薬や、肝臓の特定の酵素(CYP450 2A6, 2C9, 2D, 3A4)によって代謝される薬の効果に影響を与える可能性があります。医薬品を服用中の方は、サプリメントとして摂取する前に医師や薬剤師に相談してください。
その他
市場で「シナモン」として流通しているものには、主にセイロンシナモンとカッシアの2種類があり、特徴が異なります。
- セイロンシナモン (C. verum):
- スリランカ原産で「真のシナモン」とも呼ばれます。上品で繊細な甘い香りが特徴です。肝毒性の懸念があるクマリンの含有量が非常に少ないため、安全性が高い高級品とされています。
- カッシア (C. cassia):
- 中国や東南アジアが原産で、辛味があり、濃厚でスパイシーな強い香りを持ちます。安価で広く流通しており、一般的にシナモンとして販売されているものの多くがこの品種です。クマリンをセイロンシナモンよりも多く含むため、サプリメントなどで継続的に摂取する際は過剰摂取に注意が必要です。
日本固有の「シナモンの仲間」
- ニッキ:
- 京都の八つ橋などに使われる「ニッキ」は、日本に自生する近縁種 (C. sieboldii) の根皮を指します。甘さの中にミントのような爽やかな風味があり、セイロンシナモンやカッシアとは異なる独特の香味を持ちます。

