花粉症の民間療法は効果ある?厚生労働省データから考える

花粉症  解説

花粉症の民間療法(民間医療)はどこまで期待できる?

— 厚生労働省の調査を読みながら考えてみました —

結論から言うと、民間療法は一定数「効果を感じた」という人がいる一方で、半数近くが効果を感じていないものもあり、ばらつきが大きいのが実情です。

※この記事は、厚生労働省の実態調査をもとに一般向けに整理したものです。
医療的な診断や治療を目的とするものではありません。

では、その実情をデータから見ていきます。

民間医療・民間療法とは何か

厚生労働省の資料では、民間医療(代替医療)について、

「通常多くの医師が医療機関で行う医療以外のもので、その多くは作用機序が科学的に十分検証されていないもの」

として位置づけられています。

つまり、医学的根拠や安全性が明確に確立されている治療とは区別された定義です。

花粉症についても、健康雑誌やインターネット上にはさまざまな情報があふれていますが、科学的な評価が十分とは言えないものが多い、という前提から話が始まっています。

花粉症の民間医療はどれくらい利用されている?

まず前提として、花粉症は体の免疫反応によって起きています。
その基本的な仕組みや体の中で起きていることは、こちらの記事で整理しています。

そのうえで、厚生労働省の実態調査をもとに、民間療法の効果と限界を考えてみます。

全国調査(成人約6700名、小児約1800名)では、

・成人の19%
・小児の9%

が何らかの民間医療を受けていたと報告されています。

地域によっては20~30%にのぼるところもあり、思っているより身近な存在なのかもしれません。

利用の理由として多かったのは、

・安全性が高そう
・費用が安い
・医療機関を受診するのが面倒

といったものです。

家族や友人、テレビなどから情報を得ているケースが多いとされています。

民間療法の気になる“効果”の実際

調査では、患者さん自身の評価もまとめられています。

たとえば——

効果あり(%)効果なし(%)
漢方5035
甜茶1451
鼻スチーム療法4644
鼻洗浄療法4654
ハリ4444
※厚生労働省研究班による全国調査より
合計が100%にならないのは不明と回答された方もいるため

これらの数字は患者さんの主観的評価に基づくものです。
「効果を感じた」とする人がいても、それが成分による作用なのか、気持ちの影響なのかは区別がつかないという点に注意が必要です。

効果を感じた方もいれば、感じなかった方もいる。
そのばらつきが大きいのが特徴です。

とくに甜茶は、「効果なし」が半数を超えています。
この数字は、試す前に知っておきたい情報かもしれません。

プラセボ効果という視点

また資料では、盲検試験とプラセボ効果についても触れられています。

花粉症では、偽薬でも30%を超える有効率がみられることがあると報告されています。

「効く」と思って使うことで、症状が軽くなることがある。
これは否定できない現象です。

ただし、成分による作用なのか、期待による影響なのかは区別が難しい。

民間療法で30%前後の「効果あり」が出ている場合も、この影響を考える必要があるとされています。

植物は薬として作られたわけではない

ここからは、少し個人的な視点になります。

植物は、人の花粉症を治すために存在しているわけではありません。
特定の症状に合わせて設計されたものでもありません。

医薬品は

有効成分を抽出し、量を調整し、盲検試験を重ねて再現性を確かめています。

一方で、民間療法の多くはそこまでの検証を経ていません。

だからこそ、現時点では「可能性」として語られる段階のものが多い、と理解しておくのがよさそうです。

この違いを理解していないと、効かなかったときに大きな失望につながってしまうのではないかと感じています。

過信しないという選択

厚生労働省の資料では、花粉症治療の基本は医師との相談であるとされています。

そのうえで、もし民間療法を試すのであれば、

・過信しすぎない
・標準治療を否定しない
・効果がなければ無理をしない

このくらいの距離感がちょうどよいのかもしれません。

「効かなかった」=価値がない、ではない

甜茶が効かなかったとしても、それは甜茶が悪いという意味ではありません。
その人の体に合わなかっただけかもしれません。

逆に、効いたとしても、それがすべての人に当てはまるとは限りません。

公的な調査が示しているのは、白か黒ではなく、「幅」です。

民間療法は万能でもなければ、完全な無意味でもない。

数字を知ったうえで、過度に期待せず、過度に否定せず、自分の体と相談しながら選んでいく。

それがいちばん現実的な向き合い方なのかもしれません。

本記事は公的資料をもとに整理したものであり、症状や治療については必ず医療機関でご相談ください。

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